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ババァの義理の兄貴が美容師をやっているからと、成瀬もバスケのアドバイスがてらにカットをして貰っていたが、今度は俺にも声が掛かった。
アドバイス云々と言うよりも俺の場合は、カットモデルの名目で伸びてきた髪を切ってやる、と言うのだ。
別に自分で適当にやるから要らないと断ろうとしたが、バイトで店に立つ以上、多少は気を使った方が良いかと、それを受けたのが……間違いの始まりだった。




「いよっ、男前。相変わらず憎たらしいくらい、完璧だよな」

「当たり前だろうが。澤村さんだぜ」

「そんな澤村さんに、ちょっと別件で頼まれてくれないか?」

「ババァが下手に出るのってよ……めちゃくちゃ嫌な予感がするぜ」

「あのなぁ……アタシの事、どう思ってんだよ!!モデルだよ、モ、デ、ル!!」

たった今、カットモデルになっただろう、と俺が思っていると、ババァは間髪入れず被写体になれと言うのだ。
カメラの前でポーズとか決める、あれだ。
自分で言っちゃ何だが、顔は悪くないし、スタイルだって悪くない。
街中を歩いていると、声は確実に掛かる方だ。
ババァが言うには、義理の兄貴に頼まれ、見映えの良い人間を探して欲しいと言われたらしい。勿論、謝礼込みでの話だそうだ。

「で、単にカメラの前でお澄まししてりゃ良いのか?」

「そうなんじゃないか?とりあえず男前を探して来てくれって言われただけなんだよ」

謝礼が出るのは、生活する上で有り難いし、ここでババァに恩を売っておけば、後々有利になるかも知れない。
俺は、仕方ないから頼まれてやるといった風情で、ババァの持ち掛けた話に乗った。








「まさか……こうなるとはねぇ」

俺の手元には、何枚かの写真がある。
中に写り込んでいるのは、俺。しかし、細工をしている所為で正直、俺だとは判り辛い出来上がりだった。

「わ~、綺麗な写真」

「おまっ、いつの間に!!」

「さっきからドア、ノックしてたのに無視なんだもん。入ってきちゃった」

ごめん、と謝るバカ成瀬は、呼びもしないのにやって来た挙げ句、写真を勝手に見ている。

「誰?澤村の知り合い?綺麗……ホントに綺麗!!」

「……ま、な」

成瀬は、ずっと綺麗、綺麗だと繰り返し、写真の中の人間の虜になっていた。
本当は俺なんだ、とは言わず、奴には黙っておくことにする。






印画紙に焼き付けられているのは、片翼の裸身の天使が、緋色した布の上へ身体を横たえている姿だった。





「ぬーど」
20120613




すみません、これちょっと先の「は」に合わせたネタなんで、内容が完全に足りないんですが、許してください(T.T)


澤村の美しく変身~したのを、うまく書ければなぁ…と思ってるんですが、未熟ゆえに無理だとすでに思ってます(笑)


気持ちは、ニナガワミカの世界が良いなぁ~と望んでます☆←好きですよ、あの大胆さが(そんな写真しか見たことないんで…すみません!)

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