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澤村との一件以降、成瀬の機嫌がすごぶる悪くあった。




小林に落とされた雷と言う名の罰……校庭をただひたすらに走り続けていた成瀬と澤村は、許しが降り体育館に戻ってきた。
澤村は、何事もなかったように部活に戻っていったが、成瀬は俺を見付けた瞬間に顔色を変えた。
何時もなら先輩に挨拶とか言いつつ近付いて来ることが多いが、今に限っては完全に怒っていると言う体をし、軽く会釈するだけで仲間の元へ行ってしまった。

「珍しいですね、挨拶しに来ないなんて」

「そんな気分の時もあるだろう……じゃ、帰るよ」

「待たないんですか?!」

「触らぬ神に何とか、と言うだろう。今日は、辞めておくよ」

待っていたい、怒っている理由を聞きたい本音は胸のうちへ押し止めた俺は、小林にそう言い残し、練習している部員達に気付かれないよう体育館を出た。
成瀬だけでも気付き、追い掛けて来てくれることを願いながら――――





しかし。
追い掛けて来る所か、その後も暫くは、顔を合わしても会話をしていても終始、怒ったような拗ねたような態度をする成瀬だった。
理由を問いただそうかとも思ったが、それに対する返答次第で成瀬を傷付けてしまいそうで怖かった。
正直、お互いの気持ちが繋がっていれば、そんな事は何時でも言いと考えていたし、深くも考えていなかった。
だが成瀬は違い、不安なのか興味なのかは判らないが、周りよりも特別な『繋がり』を欲している感じがあった。
それが顕著に現れだしたのが……初めてキスをした後くらいからだった。

「成瀬に――――と俺が言えば、応えてくれるのだろうか?」

その一言を伝える勇気も、本当に成瀬がそれを欲しているのかも確証が持てずにいる俺は、天を仰ぎ溜め息を吐いた。




「しよう」
20120527





ちょい尻切れトンボ(;>_<;)
悩める桜井さん、頑張れ!!
成瀬は、それを待っているんだ(笑)


これ半分は、私の気持ちでもあったりします。
精神的な繋がりや、信頼があれば、それは二の次でも良いのでは?な感じです。
私、書くの苦手なんですよね…しよう、のシーン。苦笑。

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