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願わくば、ずっと僕の太陽で――――あり続けて下さい。




目を覚ました時、どんな反応をするのだろう。
恐れられる?
軽蔑される?
冷ややかにされる?
これが正しいとか、間違っていたとか正直、判らなくなっていた。
互いに欲した気持ち、身体、想いを受け入れ今、こうして寄り添い眠っている。
しかし、先を思えば互いにとってリスクが大きいものだろう。
笑って済ませられる程の事で無いことも、充分判っている。
それでも俺は、こうして手の中に在るものが愛しく、きっとこれから先も手放せないのだろうと全身で感じていた。

「――――朝、です……か?」

「まだ夜中だ……ゆっくり休んでいて大丈夫だぞ」

そう腕の中で身体の位置を少し変えた成瀬は、言った。
まだまだ起きるには早い時間、今日は何もない休日。
強いた身体の傷みを心配し、もう一度眠るように言うも、首を振り拒絶する。

「何処かに行っちゃいそうで……怖いです」

「何?」

「やっと太陽が……俺を抱いてくれたから……」

「――――太陽?」

成瀬の言いたいことが判らずに俺は首をかしげ、横たえていた身体を少し起こした。すると腕を目一杯伸ばし、行くなと言わんばかりに抱き付いてきた。

「熱くて、優しい『桜井修司』と言う名の太陽が……俺の手の中から消えるのが、怖いから……」

「大丈夫。成瀬の傍を離れて、何処へも行かない――――だから、安心して眠って良いぞ」

しっかりと抱きついている成瀬の体温はとても熱く、ともすると俺より熱を持つ太陽なのかと思った。

「桜井さん……」

「どうした?」

「ずっと、俺の太陽で……居てください」

――――ああ。
返ってきた声に満足したのか成瀬は、ふわ、と笑み俺の腕の中に埋もれて寝息をたて始める。






「俺にとっての太陽は、成瀬だよ」

熱持つ身体を抱き締めた俺は、眠る成瀬の髪に顔を埋めて目を閉じた。









「たいよう」
20120603





ちょっと「さいゆうきがいでん」にも通ずるもんがあったりします。
私、さいゆうき本編って途中で脱落したんですが…外伝がものすごい好きで、昨日も読んで泣いた。
文庫も単行本も勿論、ありましてよ☆



た、の単語がなかなか思い付かなかったので、下に写メ乗せた本を見ていると、そやそや……と。
そして外伝のテーマも少々頂いて、こんな話になりました。


ちょっと好きすぎて不安いっぱいの二人でした。
ヒライさまの曲を聞いているので、若干暗めでしたが…最期はhappyで♪

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