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男前が台無しになるくらい大口開けて欠伸をする澤村は、だらだらと学校目指して歩いていた。
昨日までが夏休みで、今日から二学期が始まる。
まだ式の時間には早いが、部活の朝練で出来た身体だ。ゆっくり寝ていても良かったのに目が覚めてしまい、する事もなく家を出てきたのだ。

「おっはよー、澤村!!」

「……うっす。くぁぁぁ~……」

同じく目が覚めてしまったのだろう、クラスメートの成瀬が後ろから走って来て、声をかけた。
夏休み中も嫌と言うほど顔を見ているのに、この気分が良い朝にまで、このアホ面を見なければならないのかと澤村は思う。
隣から話しかけてくる内容に、適当に返事しては欠伸をする。
呆れられているとも露知らずか、はたまた鈍感なだけか、成瀬は他愛ない事をあれやこれやと話は続く。

「澤村、寝不足?」

「かも知れねぇなぁ……」

雑談し続けていた成瀬は、ずっと欠伸をしている澤村に気づき、問い掛けた。返ってきた答えにふーん、と目尻を下げて気持ちの悪い笑みをする。

「何だ?気持ちわりぃ……」

嫌そうな顔をしている澤村の首筋辺りを指差した成瀬は、耳打ちして走り去った。


「てめぇ、覚えてろよーっ!!」


昇り始めた朝日を背に澤村は、左手に拳を握りしめて大声張り上げた。
その声は、明けの空を飛び散り、むなしく消えて行った。





「てめぇんとこの犬、ちゃんと躾しとけっ!!」

「新学期も賑やかだな、澤村。成瀬と何かあったか?」

「朝っぱらから余計なこと、言いやがって……何が『幸福者』だよ、くそっ!!」

「言われても、仕方ないんじゃないかなぁ……と、俺は思う」

「あんたの意見なんて、聞いてねぇから!!」

「でも、お前の緩みきった顔と、隠しているが襟元、見たら何があったか判る。それに一昨日は、誕生日だっただろう?言われても……それは自業自得だ」

自慢のポーカーフェイスが崩れる程に惚れられている小林は、幸福者だな。
そう桜井は、成瀬の言葉をもって澤村を説き、彼の黒髪をかき混ぜて笑む

怒りの赤面と、照れの赤面とがない交ぜになってしまった澤村は、ぐうの音も吐けず唯、立ち尽くすだけだった。





face
20130831





誕生日おめでとう、澤村☆
ちっとパタパタと書いてしまいましたが、お祝いにて。
なんか桜井さんと成瀬に振り回されてばっかな澤村ですが、以外とそんな『体質』の様な気がします。
クールなくせに熱い澤村、大好きでしてよ♪




私は、連載終了間際に入った人間なんですけど……彼らに出逢えて良かった、これからもよろしく!と言葉を贈りたく思います。




駄文で、言いたいことが多分伝わってないかと思いますが、すみません。
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。




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