色々と語っております・・・
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☆ふいに、あいたいとおもった。
成瀬に逢いたくて、適当な理由を考えながら一年生の教室へと来てみた。
中に居た澤村に聞けば、腹が減ったとか騒いでいたので食堂へ行ったのではと言う。
三年生で尚且つ長身の桜井を、遠巻きに見ては驚いている二人のクラスメイト達に目配せし、軽く礼をする。扉の鴨居で額を打ち付けないように頭を屈めて教室から出れば、廊下の向こうから顔を見たかった成瀬が走って来た。
「桜井さん、用事ですか?」
「うん、まあ……」
素直に逢いたかったと言うべきか、別に用意した答えを言うか。
濁した返事をすれば、成瀬は何だろうと言う顔をして、桜井の顔を見上げてきた。
その表情が愛らしくて満足した桜井は、成瀬のふわふわした髪を撫で、また放課後にと言葉を残して自分の教室へと帰って行った。
☆ふいに、てをつなぎたいとおもった。
桜井さんの手は、とても大きい。
身長高いし、バスケもやってるからか判らないけど、俺の頭なんて一掴みって感じだ。
ボールで突き指とかしてるからかな、関節が太くなってる。指も長くて、とても器用に動いている。
「どうした、成瀬? 俺の顔に何か付いてるのか?」
「す、す、すみませんっ! 違うんです! あの、手が……」
「手?」
「はい。手が大きいなって思ったんです。繋いでみたいな……って」
思わず考えていることをそのまま口にしてしまった俺は、顔が熱くて真っ赤になっていると思う。
しまった、と口を塞いでも遅くて、桜井さんの視線が痛くて逃げ出した。
「逃がすと思うか、この手が?」
「離し、てっ……嫌だっ!」
パスされたボールを胸で受け止めるみたいに桜井さんは、逃げようとした俺の背後から手を伸ばして、腋の下を通り抜け、胸の前で指を組んで引き寄せた。
頭の上に桜井さんが顎を乗せているのだろう、こつん、と固い感触が当たる。胸元に納められた俺を抱き締めている大きな手は、シャツの上から身体のあちらこちらを撫でてくる。
「さくらい、さん……やだ……」
手を繋ぎたかっただけなのに……
桜井さんと手も身体も繋げて、俺は溺れてしまった。
☆ふいに、きすがしたいとおもった。
成瀬が、拗ねている。
頬を膨らませて唇を尖らせ、俺から顔を背けてつん、としている。
いったい何を怒っているのか皆目判らず、どうしたものかと腕を組む。
暫く、そんな成瀬の様子を黙ったまま見詰めていると、俺が気になるのか目線だけで伺い立ててくる。
ちらちらと目線を送ってくる癖に、目が合えば顔を背けてしまう。
「一体どうしたんだ、成瀬? 機嫌が悪いのは判るが、言いたいことがあるのか?」
「言いたいことは、山ほどあります。言えばきりがないから、ひとつだけ……」
──桜井さんが格好良くて、悔しい事です。
そう言った成瀬は、サイズの合わない俺のシャツを着た身体を、寄せて来た。
首に両腕を巻き付けて真摯な眼差しで正面から顔を見据えられると、こちらが恥ずかしくなり顔を逸らせてしまう。
「格好よくて悔しくて……でも今は、凄く可愛いです」
照れている顔をさせているのは誰でもない自分だと満足した成瀬は、尖らせていた唇を解いて何時もの無邪気な笑顔をして見せた。
可愛らしいその様にキスがしたいと思った俺は、成瀬が着ているシャツの裾から手を忍び込ませて腰を掴む。
「でも成瀬の方が、俺よりもずっと可愛いから」
「やっ……ま、たっ!」
先程、この手で溺れていた成瀬を再び溺れさせると、真っ赤な顔をして目蓋に力を込めて瞑り、か細い嬌声を上げている唇にキスをした。
ふ(ふいに)
20170614
フライングですが、成瀬誕生日おめでとう~?
ちょっと詰めが甘いけど……ごめん(苦笑)
可愛くべたべた出来たので、私は満足だよ(笑)
小話、お付き合い頂き、ありがとうございました!
成瀬に逢いたくて、適当な理由を考えながら一年生の教室へと来てみた。
中に居た澤村に聞けば、腹が減ったとか騒いでいたので食堂へ行ったのではと言う。
三年生で尚且つ長身の桜井を、遠巻きに見ては驚いている二人のクラスメイト達に目配せし、軽く礼をする。扉の鴨居で額を打ち付けないように頭を屈めて教室から出れば、廊下の向こうから顔を見たかった成瀬が走って来た。
「桜井さん、用事ですか?」
「うん、まあ……」
素直に逢いたかったと言うべきか、別に用意した答えを言うか。
濁した返事をすれば、成瀬は何だろうと言う顔をして、桜井の顔を見上げてきた。
その表情が愛らしくて満足した桜井は、成瀬のふわふわした髪を撫で、また放課後にと言葉を残して自分の教室へと帰って行った。
☆ふいに、てをつなぎたいとおもった。
桜井さんの手は、とても大きい。
身長高いし、バスケもやってるからか判らないけど、俺の頭なんて一掴みって感じだ。
ボールで突き指とかしてるからかな、関節が太くなってる。指も長くて、とても器用に動いている。
「どうした、成瀬? 俺の顔に何か付いてるのか?」
「す、す、すみませんっ! 違うんです! あの、手が……」
「手?」
「はい。手が大きいなって思ったんです。繋いでみたいな……って」
思わず考えていることをそのまま口にしてしまった俺は、顔が熱くて真っ赤になっていると思う。
しまった、と口を塞いでも遅くて、桜井さんの視線が痛くて逃げ出した。
「逃がすと思うか、この手が?」
「離し、てっ……嫌だっ!」
パスされたボールを胸で受け止めるみたいに桜井さんは、逃げようとした俺の背後から手を伸ばして、腋の下を通り抜け、胸の前で指を組んで引き寄せた。
頭の上に桜井さんが顎を乗せているのだろう、こつん、と固い感触が当たる。胸元に納められた俺を抱き締めている大きな手は、シャツの上から身体のあちらこちらを撫でてくる。
「さくらい、さん……やだ……」
手を繋ぎたかっただけなのに……
桜井さんと手も身体も繋げて、俺は溺れてしまった。
☆ふいに、きすがしたいとおもった。
成瀬が、拗ねている。
頬を膨らませて唇を尖らせ、俺から顔を背けてつん、としている。
いったい何を怒っているのか皆目判らず、どうしたものかと腕を組む。
暫く、そんな成瀬の様子を黙ったまま見詰めていると、俺が気になるのか目線だけで伺い立ててくる。
ちらちらと目線を送ってくる癖に、目が合えば顔を背けてしまう。
「一体どうしたんだ、成瀬? 機嫌が悪いのは判るが、言いたいことがあるのか?」
「言いたいことは、山ほどあります。言えばきりがないから、ひとつだけ……」
──桜井さんが格好良くて、悔しい事です。
そう言った成瀬は、サイズの合わない俺のシャツを着た身体を、寄せて来た。
首に両腕を巻き付けて真摯な眼差しで正面から顔を見据えられると、こちらが恥ずかしくなり顔を逸らせてしまう。
「格好よくて悔しくて……でも今は、凄く可愛いです」
照れている顔をさせているのは誰でもない自分だと満足した成瀬は、尖らせていた唇を解いて何時もの無邪気な笑顔をして見せた。
可愛らしいその様にキスがしたいと思った俺は、成瀬が着ているシャツの裾から手を忍び込ませて腰を掴む。
「でも成瀬の方が、俺よりもずっと可愛いから」
「やっ……ま、たっ!」
先程、この手で溺れていた成瀬を再び溺れさせると、真っ赤な顔をして目蓋に力を込めて瞑り、か細い嬌声を上げている唇にキスをした。
ふ(ふいに)
20170614
フライングですが、成瀬誕生日おめでとう~?
ちょっと詰めが甘いけど……ごめん(苦笑)
可愛くべたべた出来たので、私は満足だよ(笑)
小話、お付き合い頂き、ありがとうございました!
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「なぁ、大門のオッサン……アイツって味方でもムカつくのにさ、敵になったら更にムカつくのな」
「うむ……万能型と、あの紅蓮がな」
「どうする?」
「ワシでは止めきれぬ。二階堂に任せても良いか?」
「だよね……あ、相打ちになったら頼むな」
「勝って連れ戻せ。ぬしもそう思っておろう」
「まね。そいじゃ、行きますかね!」
二階堂紅丸は、細身の身体で優雅に一歩を踏み出し、天に向けて右腕を翳す。すれば、空に暗雲が渦巻き、一筋の雷(いかづち)が空気を震わせ紅丸の腕に絡み付く。
白く、とても白くあるそれを手のひらの中へ納め、握り締めた。
一歩、また一歩と長い御足で闊歩し、相手との距離を詰めて間合いを計り、足を止める。
伏せていた蒼の瞳を一度閉じ、呼吸を整えて一気に見開く。そして、美しい金糸の髪をかき上げれば、天に向かい逆立った。
「よお、久しぶりだなぁ……相変わらず美しい御姿で」
「お前もな。久々に誉められて、嬉しいぜ。サンキュー」
「はっ、リップサービスに決まってるだろうが、ばーか」
相も変わらず子供臭い挑発に、何時もと変わりないなと苦笑した紅丸は腕を組み、目の前の黒髪を見詰める。
紅蓮の炎を両腕に纏い、右足を後ろへ引き重心を落とした黒髪は、拳を握り隙を伺う。
「俺様が勝ったら、連れて帰るぞ──京っ!」
「るせぇ! 俺が勝つんだよ! ここで沈め──紅丸っ!」
大地を蹴り上げ、着地に隙のある朧車で間を詰めてきた京を、蹴り技を絡めて落下してくる前に打ち落としてやると紅丸は、居合い蹴りをフェイクで打ち、反動三段蹴りで雷を纏った足先を当てた。
京には擦っただけだったが、隙の生じているところへ足払いを仕掛ける。
「やっぱりダメだったか。じゃ、こっちを食らいやがれっ!」
紅蓮の炎の加護を受ける京は、大蛇薙を放つ為に腕を天へと翳し、炎を纏う。
白の雷の加護を受ける紅丸は、拳を握り雷光拳を放つために気を集中させる。
大地と空を揺るがす技がぶつかり合い、紅丸と京の死闘が繰り広げられようとしていた。
死闘
20170606
紅丸さん、ハピバです?
アプリゲーからのネタですみません(汗)
やっぱり似合うよなぁ格闘、とか思いながら久々に書きました。
紅丸ファンの桜岡なので、紅さんが美しく書けていたら、今回の小話は満足です♪←こらこら。
お付き合い頂き、ありがとうございました!
紅さん、このあと京をぶっ倒して姫抱っこで連れ戻して下さい?←絶対暴れて殴られて、終わりそう(涙)
「うむ……万能型と、あの紅蓮がな」
「どうする?」
「ワシでは止めきれぬ。二階堂に任せても良いか?」
「だよね……あ、相打ちになったら頼むな」
「勝って連れ戻せ。ぬしもそう思っておろう」
「まね。そいじゃ、行きますかね!」
二階堂紅丸は、細身の身体で優雅に一歩を踏み出し、天に向けて右腕を翳す。すれば、空に暗雲が渦巻き、一筋の雷(いかづち)が空気を震わせ紅丸の腕に絡み付く。
白く、とても白くあるそれを手のひらの中へ納め、握り締めた。
一歩、また一歩と長い御足で闊歩し、相手との距離を詰めて間合いを計り、足を止める。
伏せていた蒼の瞳を一度閉じ、呼吸を整えて一気に見開く。そして、美しい金糸の髪をかき上げれば、天に向かい逆立った。
「よお、久しぶりだなぁ……相変わらず美しい御姿で」
「お前もな。久々に誉められて、嬉しいぜ。サンキュー」
「はっ、リップサービスに決まってるだろうが、ばーか」
相も変わらず子供臭い挑発に、何時もと変わりないなと苦笑した紅丸は腕を組み、目の前の黒髪を見詰める。
紅蓮の炎を両腕に纏い、右足を後ろへ引き重心を落とした黒髪は、拳を握り隙を伺う。
「俺様が勝ったら、連れて帰るぞ──京っ!」
「るせぇ! 俺が勝つんだよ! ここで沈め──紅丸っ!」
大地を蹴り上げ、着地に隙のある朧車で間を詰めてきた京を、蹴り技を絡めて落下してくる前に打ち落としてやると紅丸は、居合い蹴りをフェイクで打ち、反動三段蹴りで雷を纏った足先を当てた。
京には擦っただけだったが、隙の生じているところへ足払いを仕掛ける。
「やっぱりダメだったか。じゃ、こっちを食らいやがれっ!」
紅蓮の炎の加護を受ける京は、大蛇薙を放つ為に腕を天へと翳し、炎を纏う。
白の雷の加護を受ける紅丸は、拳を握り雷光拳を放つために気を集中させる。
大地と空を揺るがす技がぶつかり合い、紅丸と京の死闘が繰り広げられようとしていた。
死闘
20170606
紅丸さん、ハピバです?
アプリゲーからのネタですみません(汗)
やっぱり似合うよなぁ格闘、とか思いながら久々に書きました。
紅丸ファンの桜岡なので、紅さんが美しく書けていたら、今回の小話は満足です♪←こらこら。
お付き合い頂き、ありがとうございました!
紅さん、このあと京をぶっ倒して姫抱っこで連れ戻して下さい?←絶対暴れて殴られて、終わりそう(涙)
すっかり半生に落ちて、pixivに入り浸ったり、別場所に半生の居を構えたりして……スミマセン(汗)
この週末のインテですが、ドラマオンリーで生息してます。
(インテ 3号館チ13b)
LOVE FLIES
の、名義で座ってます。
246主従です。
もし、ご興味ありましたら覗いてやって頂ければ幸いです。
今までこちらでは言ってませんでしたが、もし若/賢お好きな方とかいらっしゃったら、居を構えたりしてますので、お声掛けて頂ければ住まいをお伝え致します(汗)
しかしこの主従……恐ろしく私には沼で、抜け出せません(T-T)
この週末のインテですが、ドラマオンリーで生息してます。
(インテ 3号館チ13b)
LOVE FLIES
の、名義で座ってます。
246主従です。
もし、ご興味ありましたら覗いてやって頂ければ幸いです。
今までこちらでは言ってませんでしたが、もし若/賢お好きな方とかいらっしゃったら、居を構えたりしてますので、お声掛けて頂ければ住まいをお伝え致します(汗)
しかしこの主従……恐ろしく私には沼で、抜け出せません(T-T)
2年くらい前にストップしちゃった『ひらがな』series。
コバサワで『は(はな)』まで来ていた筈……
久々に書きました。
やっぱり成瀬には……向日葵でしょう♪
─────────
キラキラと朝日が、窓から降り落ちて来る。
まだまだ夏の盛りで、明け方は涼しいけれど、少しでも陽が昇ると気温も上昇する。
暑さを感じ始めた桜井は、眼鏡を掛けていないぼやけた視界からリモコンを探し出し、ボタンを押した。直ぐ様、冷風が室内の温度を下げて行く。
涼しくなって来たのを、眠りながらでも感じたのだろう。隣に在る成瀬が、タオルケットを目を開かないまま手探りしている。
「まだ起きる気は、無さそうだな」
探し物の感触を成瀬の手に当ててやれば、ぱぁと花の咲いた様な笑顔をし、手繰り寄せて身体に巻き付ける。くるんと背を丸めて、桜井には届かない小さな声で、何事かを呟き寝息を発て始める。
タオルケットからはみ出している、琥珀色した髪に触れ、毛先にキスを落とす。
「少し庭に出てくるよ」
眠り続けている成瀬に言葉を落とし、もう一度キスも落とし、桜井は自室を静かに出て行った。
☆
「おはよう、成瀬」
「おっ……おはようございます、桜井さん。寝坊しました……」
寝癖頭のまま、申し訳なさそうにタオルケットから顔を少し覗かせて成瀬は、部屋へ戻って来た桜井に朝の挨拶をした。
休みなのだからゆっくりすれば良いと、まだベッドの上で座り込んでいる後輩の横へ腰掛け、部屋を出ていた先輩は手にしていた花を、彼の顔の前で揺らせた。
「今日も庭に、成瀬の様な花がたくさん、咲いていたよ」
「向日葵……ですか?」
「そう、成瀬の笑顔に似た……花」
桜井の言葉に成瀬は一度、瞳を閉じた。そして、一点の陰りない大きな瞳を開き、目の前の大好きな先輩の姿を宿す。
向日葵に負けないくらいに元気で、愛らしい笑顔を桜井にして見せた。
『ひ』ひまわり
20170205
コバサワで『は(はな)』まで来ていた筈……
久々に書きました。
やっぱり成瀬には……向日葵でしょう♪
─────────
キラキラと朝日が、窓から降り落ちて来る。
まだまだ夏の盛りで、明け方は涼しいけれど、少しでも陽が昇ると気温も上昇する。
暑さを感じ始めた桜井は、眼鏡を掛けていないぼやけた視界からリモコンを探し出し、ボタンを押した。直ぐ様、冷風が室内の温度を下げて行く。
涼しくなって来たのを、眠りながらでも感じたのだろう。隣に在る成瀬が、タオルケットを目を開かないまま手探りしている。
「まだ起きる気は、無さそうだな」
探し物の感触を成瀬の手に当ててやれば、ぱぁと花の咲いた様な笑顔をし、手繰り寄せて身体に巻き付ける。くるんと背を丸めて、桜井には届かない小さな声で、何事かを呟き寝息を発て始める。
タオルケットからはみ出している、琥珀色した髪に触れ、毛先にキスを落とす。
「少し庭に出てくるよ」
眠り続けている成瀬に言葉を落とし、もう一度キスも落とし、桜井は自室を静かに出て行った。
☆
「おはよう、成瀬」
「おっ……おはようございます、桜井さん。寝坊しました……」
寝癖頭のまま、申し訳なさそうにタオルケットから顔を少し覗かせて成瀬は、部屋へ戻って来た桜井に朝の挨拶をした。
休みなのだからゆっくりすれば良いと、まだベッドの上で座り込んでいる後輩の横へ腰掛け、部屋を出ていた先輩は手にしていた花を、彼の顔の前で揺らせた。
「今日も庭に、成瀬の様な花がたくさん、咲いていたよ」
「向日葵……ですか?」
「そう、成瀬の笑顔に似た……花」
桜井の言葉に成瀬は一度、瞳を閉じた。そして、一点の陰りない大きな瞳を開き、目の前の大好きな先輩の姿を宿す。
向日葵に負けないくらいに元気で、愛らしい笑顔を桜井にして見せた。
『ひ』ひまわり
20170205
北海道へ行っていた澤村が今日、東京へ戻って来る筈だった。しかし、天候悪化で便が減少し、戻れるかどうか判らないと連絡が入ってきていた。
(少し前まで桜井さんと成瀬が一緒に居てくれたが……)
もしかすると帰れないかもとの連絡を話し、先に帰って貰った。
このまま待っていても、空振りをする可能性もある。それに二人が帰る最終列車の時間もある。
「小林は、待つのか?」
「……はい。空振りかも知れませんが、最終便まで待ちます」
「じゃ、俺達も……」
「成瀬、温かいお茶を買ってきてくれないか?」
「は、はいっ」
突然、澤村を待つ話をしていたのに、桜井に全く違う話を振られ驚いたが、先輩の言う事は絶対で、成瀬は近くの売店へと走っていった。
「大丈夫か? 小林が、帰れなくなるぞ」
「調べましたら此処は、場所によって二十四時間使える施設があるみたいですし、もしアイツが帰って来た時、飛行機から降りて来た時に……一人だと可哀想かと思いますし」
「素直に『一番に会いたい』で良いんじゃないか? それじゃ俺達は帰るよ。これで少しは暖を取れ」
「あ、ありがとうございます……桜井さん。成瀬も気をつけて帰れよ」
「えっ、えっ? 桜井さん帰るんですか?」
「成瀬も一緒に帰るんだ……二人の邪魔しちゃ悪いだろう?」
成瀬の買ってきた飲み物を小林へ渡し、邪魔者は帰るよと可愛い後輩を引っ張り、桜井は空港を後にした。
桜井の一言は図星で、真っ赤になりながらガラス越しに飛行機の離発着を見詰める。
色彩鮮やかなライティングをし、大きな機体が空を駆ける。
外はかなり冷えているのか、触れたガラスが冷たく、息も時間が経つに連れて白くなって行く。
奥に入っていれば暖房も充分効いているのに、小林は空を駆ける機体を見詰め、何処からの来たものか、澤村が乗っているのかを思い描いていた。
『まもなく……の最終便が……』
場内アナウンスが耳に届いた小林は、弾かれた様に顔を上げた。
桜井が渡してくれた茶は、とうの昔に冷たくなっていて、幾時待っているのか判らなくなっていた。
「これに乗っていなければ、施設へ移動する……」
「かっ、かさはりっ!」
回りには最終便を待つ人々が数人居たが、お構い無しに背中から抱き付き、謝り続ける澤村の声が聞こえた。
「待っていてくれたのか? 連絡したじゃん……乗れないかもって」
「桜井さんや成瀬も居たが、先に帰って貰った。今日、お前が帰って来た時に誰かが居なければ寂しい……いや、俺が逢いたくて待っていた」
思いきり抱き付かれ、腰の辺りを強く締め付けられて苦しかったが、それだけ澤村も逢いたかったと思っていたのだと感じる。
「お帰り、澤村。逢いたかった……」
「ただいま、小林。俺も逢いたかった……」
未だ顔見ぬままの挨拶ではあるが、二人の間には愛がたくさん零れ落ちていた。
おかえり、ただいま。
20170120
フライング小林誕生日祝いです!
実は、ずっと持っていたネタで、やっと書きました……ごめんなさい!
短い話ですが、男前な小林さんが出ていれば、伝われば嬉しいです!
このあと、二十四時間使える施設で隣同士で座って、肩寄せ合って翌朝まで過ごす二人でした(照)
駄文ですが、お付き合い頂き、ありがとうございました!
(少し前まで桜井さんと成瀬が一緒に居てくれたが……)
もしかすると帰れないかもとの連絡を話し、先に帰って貰った。
このまま待っていても、空振りをする可能性もある。それに二人が帰る最終列車の時間もある。
「小林は、待つのか?」
「……はい。空振りかも知れませんが、最終便まで待ちます」
「じゃ、俺達も……」
「成瀬、温かいお茶を買ってきてくれないか?」
「は、はいっ」
突然、澤村を待つ話をしていたのに、桜井に全く違う話を振られ驚いたが、先輩の言う事は絶対で、成瀬は近くの売店へと走っていった。
「大丈夫か? 小林が、帰れなくなるぞ」
「調べましたら此処は、場所によって二十四時間使える施設があるみたいですし、もしアイツが帰って来た時、飛行機から降りて来た時に……一人だと可哀想かと思いますし」
「素直に『一番に会いたい』で良いんじゃないか? それじゃ俺達は帰るよ。これで少しは暖を取れ」
「あ、ありがとうございます……桜井さん。成瀬も気をつけて帰れよ」
「えっ、えっ? 桜井さん帰るんですか?」
「成瀬も一緒に帰るんだ……二人の邪魔しちゃ悪いだろう?」
成瀬の買ってきた飲み物を小林へ渡し、邪魔者は帰るよと可愛い後輩を引っ張り、桜井は空港を後にした。
桜井の一言は図星で、真っ赤になりながらガラス越しに飛行機の離発着を見詰める。
色彩鮮やかなライティングをし、大きな機体が空を駆ける。
外はかなり冷えているのか、触れたガラスが冷たく、息も時間が経つに連れて白くなって行く。
奥に入っていれば暖房も充分効いているのに、小林は空を駆ける機体を見詰め、何処からの来たものか、澤村が乗っているのかを思い描いていた。
『まもなく……の最終便が……』
場内アナウンスが耳に届いた小林は、弾かれた様に顔を上げた。
桜井が渡してくれた茶は、とうの昔に冷たくなっていて、幾時待っているのか判らなくなっていた。
「これに乗っていなければ、施設へ移動する……」
「かっ、かさはりっ!」
回りには最終便を待つ人々が数人居たが、お構い無しに背中から抱き付き、謝り続ける澤村の声が聞こえた。
「待っていてくれたのか? 連絡したじゃん……乗れないかもって」
「桜井さんや成瀬も居たが、先に帰って貰った。今日、お前が帰って来た時に誰かが居なければ寂しい……いや、俺が逢いたくて待っていた」
思いきり抱き付かれ、腰の辺りを強く締め付けられて苦しかったが、それだけ澤村も逢いたかったと思っていたのだと感じる。
「お帰り、澤村。逢いたかった……」
「ただいま、小林。俺も逢いたかった……」
未だ顔見ぬままの挨拶ではあるが、二人の間には愛がたくさん零れ落ちていた。
おかえり、ただいま。
20170120
フライング小林誕生日祝いです!
実は、ずっと持っていたネタで、やっと書きました……ごめんなさい!
短い話ですが、男前な小林さんが出ていれば、伝われば嬉しいです!
このあと、二十四時間使える施設で隣同士で座って、肩寄せ合って翌朝まで過ごす二人でした(照)
駄文ですが、お付き合い頂き、ありがとうございました!