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捏造自分設定ちびっ子ダテサナ。
(お話(ちびっ子ダテサナ+おかん小十佐)は、ノベルズの方に幾つかあります)






笑って下され。

そのような哀しい表情(かお)を、しないで下され。

某では、貴殿に笑顔の花を……贈る事は出来ないのでしょうか。






「ま……まさむねどの……」

「あっちへいっていろ!! だれともあいたくねえっ!!」

薄く開かれた襖から、怯えた顔をした幸村が中を覗き込む。
室の中は灯が無く、真っ暗闇だった。その真ん中に敷かれた布団が、小高い山を築いていた。
外から声を掛けた幸村を、怒鳴り付けた政宗が、その中に居たのだ。
外は、風が唸り声を上げている。
風の音と室の闇色、政宗の恐ろしい声に幸村は、怖くて怖くて仕方が無かった。しかし、涙目になりながらもぐっ、と堪え、襖の端を握り締めながら、か細い声を発した。

「しっ……しつれいするでござ……るっ!!」

また怒鳴り叱られるのを覚悟して、小さな身体と心を奮い立たせる。
その時、政宗は近付いて来る幸村へ、厳しい言葉を投げ掛ける為に口を開こうとしていた。
それよりも早く幸村は、布団を被り身を隠してしまっている政宗を、小さな両腕をいっぱい、いっぱいに広げて抱き締めた。

「それがしには、ははうえは……おりませぬ。まさむねどののかなしみ……」

――――それがしが、おうけいたしまする!!

忌み嫌われていようとも、実の母の死はなかなかと受け入れ難く政宗は、自室に篭りきり誰とも会わずしていた。
政宗の悲しみを幸村は、物心付いた頃には既に『母』と言う存在が無く、佐助に護られ生きてきた故に、なかなかと判らずにいた。
しかし、人を失った悲しみは誰も同じでいて、政宗よりも小さな幸村にも感じ取ったのだ。



自分では、血の繋がった者の変わりは出来なくとも、傍に居て……何時か笑顔を取り戻して欲しい。
そう小さな幸村は、思いを込めて政宗をだきしめるのだった。






笑って / 20110109








実は、正月明けから書いていたものです。
お題からの小話。

捏造自分設定ちびっ子話です。


嫌われていても、いざ居なくなると寂しいものだな…と思う感情より。
幸にも悲しみは伝染し、辛さは分かるのだが笑える日が来るまで政宗を支えようとする、健気さが出ていればと思います。



短いですが久々にバサラ書きました。
年始から一応は作業していた…と言うことで。汗。



駄文お付き合いの程、ありがとうございました!
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