色々と語っております・・・
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梅雨の季節が到来間近、6月の頃の話。
旧体育館の入口で勝太は、もうすぐ雨が降るだろうと言う雲行きの空を見上げて肩を落とした。
「……湿気で身体が重い」
南国の梅雨は早く、もうこの時期には明けようかと言う頃だった。
生活環境が一変し初めて都会で迎える梅雨の季節に勝太は、少々堪えてる様子だった。
大好きなバレーですらやる気が起きないと、鬱々としていた。
***
体育館内に戻ってみれば、窓を開けていても風の抜けて行く感じは皆無だった。どんよりと空気が篭り、勝太のやる気無さを更に増幅させてる。
「だーめーだー……身体が重くて飛ぶのも辛い……」
トスを上げている玲に訴えると勝太は、コートにゴロリと身体を横たえてしまった。
床が冷たく気持ちいいのだろう。ぴたりと頬を引っ付け幸せそうに目を細める。
「こんな時期だから仕方ないだろう? みんな一緒なんだから少しは我慢し……」
「まぁまぁ、勝太の身体が湿気に馴れるまでは我慢強く、こちらも行きましょう」
「……」
トレードマークの扇子で涼を取りながら松平は、目くじら立てて怒る玲の肩をぽん、と叩き目尻を下げて笑う。
殿様にこの顔をされては従うしかないか。
玲は、仕方なく勝太の好きにさせるのだった。
***
暫く床の冷たさを堪能し、満足したのか勝太は、勢いよく上半身を起こした。そして、両手を天井に突き上げ伸びをした。
「それに満足したなら練習始めるぞ」
「満足って言うかさ……やる気出る方法、思い付いたんだけど……」
聞いてくれるか?
半ば呆れ顔をして見下ろしている玲にずい、と自分の顔を近付けニンマリと笑った勝太は、伺いを立てる。
何やら良からぬ事を思い付いたのだろうと玲は、呆れ顔から嫌そうな表情へと変える。近すぎる勝太の顔を避けるように後ろへ身体を引いた。
「一応……聞いてやる」
嫌そうにしていても勝太には何処かしら甘い玲。
やる気を出すのであれば一応……一応、聞いてみて自分に出来ることであれば協力しようと……したのが間違いだった。
玲の返答に気を良くした勝太は、目を細め更に笑みを深くして見せた。
「玲がさ、キスしてくれたらやる気がで……ぶっ!! 」
「ずっと床と戯れていろっ!! 」
勝太が幸せそうに言うその言葉が終わる前に玲は、手にしたボールを上げ……たわけた事を言っている顔面目掛けてスパイクを放った。
そして、そのまま勝太に背中を向け体育館から出て行ってしまった。
てんてん、と床を転がるボールは、二人のやり取りを一部始終見守っていた松平の足元にやって来た。
「勝太は、少し言葉がストレート過ぎますね。玲の気持ちも考えるようにしなければ…… 」
そのボールを拾い上げると松平は、顔面を押さえ唸り声を上げている勝太の傍へ腰を下ろした。
ボールの縫い目がくっきり、と付いてしまっている鼻先に扇子の先を当て、
「……いけませんよ。ほら、謝って連れ戻してきなさい」
照れて体育館を飛び出して行った玲を迎えに行く様に背中を押してやる。
「若いと言うことは、良いものですね」
玲の背中を追い、同じ様に体育館を飛び出して行った勝太を見送りながら松平は、扇子で口元を隠しながらこう零したのだった。
KISSして 《カツアキ》
20090531
はい、したのblogで書いたネタ其の一。
なんか久々にシャキーッと浮かびましてね、色褪せない内にカキカキ。
ボールを顔面にぶつけたかっただけかもしれない……話でした(笑)
いや、そこを一番想像してたら面白くて…有りがち~なんスけどね。苦笑。
殿様は、なんか書いてる内に出してみたら面白いかな~と追加したキャラ。
しかし、全然ダメでした…わはは。
スンマセン、殿様。
こんなしょぼい話しですが…
何時もお世話になっているお二人に向けて……投函してみたいと思います♪
駄文ですみません!!
お付き合い頂き、ありがとうございました!!
(私信にてすみません…またメルします~ありがとうございます、Y也様!!こっちも天気悪くて梅雨の走りみたいでした……一日。涙。Movieはどうされたか~と思いつつ、今日の10時半に出ますね!!と叫んでおきます♪)
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