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「大作の様子は?」
 

「今、落ち着いたところよ。健二さん……少し代わって下さる?」
 

「ああ。銀鈴も付きっきりだったから疲れただろう。休んでくると良い」
 

髪をかき上げた時、チリンと鈴のピアスを鳴らせた銀鈴は、村雨健二に礼を言うと入れ違いに部屋を出た。
大作の眠るベッド脇にある小さな机にある解毒剤を、飲ませる事を忘れない様に念を押して。

 

護っていた大作を連れ去られ、こんな目に遭わせてしまったのは自分の責任だ。


村雨は普段ならば、真っ直ぐすぎるこの子供との距離を置いていただろう。
しかし、自身のミスからこの子供を……草間大作を死に至らしめる程の目に遭わせてしまったのだと、自責の念に駆られていた。

 

簡素な病室に似合いの簡素のベッドには、容態が一時落ち着いたばかりの大作が眠っていた。
子供で小柄な彼に合う寝間着などはなく、大人用のものが宛われていた。その所為かズボンなど穿かずとも、上着の大きさでほぼ全身が包み隠されていた。
ベッドの側机には、先ほど銀鈴が言っていた解毒剤と水差しが置かれていた。
連れ去られ一服盛られたか、村雨達が大作の元へ駆けつけた時には既に危険な状態だった。
もしもの為にと渡されていた呉学人の秘薬が功を奏したか、一命は取り留めた。
だが、夢現になると大作は、自分の見たくないモノを見せられるのか、暴れ出してしまうのだ。
人には一つ、二つ、自身の目から背けたい、逃げたいモノがあるだろう。
それを無理矢理に見せられている子供の精神は、平静を保てるものではなかった。
大人の自分でも、律する事ができるかどうか……
村雨は、今は薬の効力で良く眠っている大作の手を取り、自身の五指を絡めて繋いだ。
 

「護ってやれずにすまなかった……」
 

子供の大作の手と、大人の自分の手を繋いだ村雨は、頬を伝う涙はそのままに彼の目覚めを静かに待ち続けた。

 

手を繋いで / 20110206

 


何時発表されるかとドキドキしているジャイアントロボプチオンリーに寄せて。
大阪で~とのお話を小耳に挟んでいるので、楽しみに待っています。
っていうか自分、参加するにしても・・・越境〈マガジンでスペース取る為〉参加になるんだけど・・・良いのかなぁ。汗。
まだ、きちんと詳細も知らないので判らないですが、あったら絶対参加するっすよ♪

 

そんなこんなで、村大。
この方達は戦ってナンボの世界の方々なので、こんなにギリギリな話しになってしまいました。
正直、戦いとかの話しは知識が皆無なので苦手〈逃げてると言う。すみません〉なんですけど、そんな一部分だけなら・・・と頑張ってみました。
大作くん、辛い目に遭わせてごめんなさい。
だけど、目を開ければ嫌いな〈ホントは気がかりな存在〉村雨さんが居ますが、彼はじっと君の目覚めを待っているので・・・起きてきてあげて下さい。

 

夢現で見ているものは・・・察すれば何とやらです。
ま、そんなモノを見せられています・・・子供の大作くん。苦笑。

 

駄文ではございましたが、お付き合いの程、ありがとうございました。

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