色々と語っております・・・
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夜が明ける。
長く続いた暗幕が、昇り行く太陽により開く。
水平線から目映いばかりの光を放ちつつ、ゆるりと上がってくる。
「とりあえず片が付きましたなぁ、大神はん」
「ああ……さぁ皆、帰還するぞ。戻ったら、体をしっかり休めるんだ」
「了解!」
「せやけど、海に浸かってもうたから……この子等、早よ綺麗にしたりたいんやけど」
「紅蘭は、最後に点検してくれれば良いと親方達が言っていたぞ。先ずは休んでください……ってね」
「はいな! しっかり休んで起きたら、この子等の面倒見るわ!」
「そうと決まれば帰ろう、紅蘭、皆!」
再び了解の声を上げた花組の皆は、乗り込んだ光武と共に翔鯨丸へと格納されて行く。
「あやめさん、すみません……アイリスは大丈夫ですか?」
「大丈夫よ。かなり拗ねていたけど、私の傍で今は眠っているわ」
「出撃させなかったけど結局、力を使わせてしまいましたね」
「貴方なりの心遣いは、彼女も良く判っているわ。だから華撃団の一人として、暗闇で戦う皆を此処からサポートしていたのよ。お疲れ様、大神君」
優しい笑い声と労いの言葉に大神は、己の判断は間違っていたかったのだと安堵する。
格納待ちの大神は、光武の中から朝日を見詰めた。
本当なら外に出たいところだが、中にまで潮風を浴びせてしまえば、紅蘭や親方達に余計な整備をさせてしまうと留まった。
「綺麗だ。あの頃を思い出す……」
光の眩しさに目を細め、それを和らげる様に額へ手を添えた。
静かな光武の中、己の生きている証を耳に、誰も欠けること無く今日が有ることを喜び、太陽に感謝する。
────コンコン。
暫くただ太陽を見詰めていると、光武の外装を叩いているのか、静かった操縦席に音が響く。
首を動かして見れば、足元に黒尽くめの人形があった。顔を覆い隠していた布を引き下げれば、見知った男の顔が現れた。
画面越しに目があった事に気付いたか、男はただ笑い敬礼した。
大神も、光武の腕を借り敬礼した。
大神を護る光武の腕を再び叩くと、男の姿は消えた。
「皆が無事で本当に良かった。良い誕生日を────ありがとう」
唇の動きだけでこう言った大神は、太陽の光に輝く海を眺めているのだった。
ありがとう
20160103
大神さんの誕生日祝いに、乗っからせて頂きました。
もう、色々ツッコミしろ満載なのは、百も承知。
ですが、出来れば多目に見てやって頂ければ幸いです。
出戻りの、しがない字書きなりの祝いと言うことで(苦笑)
このあと一休みした皆さんは(加山含め)、めいっぱいお祝いしましたとさ!
と、締めさせて頂きます。
駄文お付き合いのほど、ありがとうございました!
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