色々と語っております・・・
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──普通の日常なんて過ごした事ねぇし、だいたい普通の概念がわかんねぇよな。
そう二階堂紅丸は、呟く。
「普通? 普通ってこんな事ちゃうん? 俺と紅丸はんが喋ってる事とか、こうやって一緒に飯、食っとる事とか」
「お前に聞いた俺様が、馬鹿でした」
「っつか誘う相手、まちごーてないか?」
「草薙京様は、お宅の旦那と一緒なの」
「庵はんと……祓いか?」
「そう……紅蓮と蒼紫の焔背負う宿命」
──それ考えたらあの二人が、普通から外れとんねん。
目の前で食事を貪っている拳崇の言葉に、彼等と共に生きる覚悟したならば普通などありはしない、と改めて感じた。
「あ、俺も一応超能力者やから、紅丸はんが一番普通や」
「一応俺も雷使いなんだけど……」
からからと笑う拳崇に、青い目を丸くして呆気にとられた紅丸は、なるほどとその目を細くして笑い、金の髪を靡かせ、晴天を見上げる。
「ほんとお前や彼奴等と一緒だと、周りと違う『普通』が味わえて飽きねぇな」
「どないしたん、なんで普通に拘るん? あんまそんなん考えへん癖に、珍しいなぁ……何かあったんか?」
「何もねぇよ」
あ、そ──と。
紅丸の性格からこれ以上は話さないと察した拳崇は、次々と運ばれてくる食事を片っ端から片付けて行き、腹が膨れたと満悦だった。
紅丸も少しずつではあるが食事に手を付け、食後の珈琲へ口を付けていると、バイクのエンジン音が徐々に近付いて来た。
「あ、庵はんっ!!」
「何で俺が、お前を乗せねばならん!」
「うっせぇ!! 好きで乗ってるんじゃねぇ!! 紅丸、帰るぞ!!」
「お疲れさん、飯は?」
「こんな煩いのと一緒に食えるか! 俺は疲れてんの……察しろ」
はいはい──と。
紅丸は、バイクに跨がりヘルメットを被ったままの庵にお疲れさんと声を掛け、礼も言わずさっさと降りてきた京からヘルメットを取ると拳崇へ渡す。
またな、とヘルメットを被りバイクに跨がった拳崇は、庵の背中にしがみついて手を振っていた。
紅丸も振り返したのを合図に庵はエンジンをかけ、そのまま走り去った。
「さて、車を回してくるよ。何か飲むか?」
「いらねぇ……」
「そう? じゃ少し待っててくれ……って疲れてんだろ?」
「だから察しろ、って」
庵と拳崇の姿を見送りながら紅丸は、祓いでかなり体力を消耗しているだろうと京に気を使うも、ことごとく打ち砕かれてしまう。
あんな話を拳崇にしてしまい情緒が不安定だなと心の隅で紅丸は思っていたが、この京の状態と自身を照らし合わせ、知らぬ内に気持ちが繋がっていたのかと感じて嬉しくなる。
「疲れてるのに、駐車場まで付き合わせて悪いな」
「悪いって思うなら、俺が満足するまで接待しろよ」
こう口悪くしているものの本当は、優しい手と温もりを欲しているのだと知ってしまった紅丸は、自身も京に触れて『彼が生きている』事に安堵しようと横へ並び立つ。
今はこれだけでと、紅蓮の焔を纏う手の甲へ、雷纏う手の甲を触れさせた紅丸は、気持ちが洗われると心中だけで呟き、目の前で顔を赤らめ口を尖らせている京に微笑みかけた。
20180606
そう二階堂紅丸は、呟く。
「普通? 普通ってこんな事ちゃうん? 俺と紅丸はんが喋ってる事とか、こうやって一緒に飯、食っとる事とか」
「お前に聞いた俺様が、馬鹿でした」
「っつか誘う相手、まちごーてないか?」
「草薙京様は、お宅の旦那と一緒なの」
「庵はんと……祓いか?」
「そう……紅蓮と蒼紫の焔背負う宿命」
──それ考えたらあの二人が、普通から外れとんねん。
目の前で食事を貪っている拳崇の言葉に、彼等と共に生きる覚悟したならば普通などありはしない、と改めて感じた。
「あ、俺も一応超能力者やから、紅丸はんが一番普通や」
「一応俺も雷使いなんだけど……」
からからと笑う拳崇に、青い目を丸くして呆気にとられた紅丸は、なるほどとその目を細くして笑い、金の髪を靡かせ、晴天を見上げる。
「ほんとお前や彼奴等と一緒だと、周りと違う『普通』が味わえて飽きねぇな」
「どないしたん、なんで普通に拘るん? あんまそんなん考えへん癖に、珍しいなぁ……何かあったんか?」
「何もねぇよ」
あ、そ──と。
紅丸の性格からこれ以上は話さないと察した拳崇は、次々と運ばれてくる食事を片っ端から片付けて行き、腹が膨れたと満悦だった。
紅丸も少しずつではあるが食事に手を付け、食後の珈琲へ口を付けていると、バイクのエンジン音が徐々に近付いて来た。
「あ、庵はんっ!!」
「何で俺が、お前を乗せねばならん!」
「うっせぇ!! 好きで乗ってるんじゃねぇ!! 紅丸、帰るぞ!!」
「お疲れさん、飯は?」
「こんな煩いのと一緒に食えるか! 俺は疲れてんの……察しろ」
はいはい──と。
紅丸は、バイクに跨がりヘルメットを被ったままの庵にお疲れさんと声を掛け、礼も言わずさっさと降りてきた京からヘルメットを取ると拳崇へ渡す。
またな、とヘルメットを被りバイクに跨がった拳崇は、庵の背中にしがみついて手を振っていた。
紅丸も振り返したのを合図に庵はエンジンをかけ、そのまま走り去った。
「さて、車を回してくるよ。何か飲むか?」
「いらねぇ……」
「そう? じゃ少し待っててくれ……って疲れてんだろ?」
「だから察しろ、って」
庵と拳崇の姿を見送りながら紅丸は、祓いでかなり体力を消耗しているだろうと京に気を使うも、ことごとく打ち砕かれてしまう。
あんな話を拳崇にしてしまい情緒が不安定だなと心の隅で紅丸は思っていたが、この京の状態と自身を照らし合わせ、知らぬ内に気持ちが繋がっていたのかと感じて嬉しくなる。
「疲れてるのに、駐車場まで付き合わせて悪いな」
「悪いって思うなら、俺が満足するまで接待しろよ」
こう口悪くしているものの本当は、優しい手と温もりを欲しているのだと知ってしまった紅丸は、自身も京に触れて『彼が生きている』事に安堵しようと横へ並び立つ。
今はこれだけでと、紅蓮の焔を纏う手の甲へ、雷纏う手の甲を触れさせた紅丸は、気持ちが洗われると心中だけで呟き、目の前で顔を赤らめ口を尖らせている京に微笑みかけた。
20180606
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