色々と語っております・・・
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初めに。
すみません、初めてに等しい夢SSです。
テニプリ、鳳夢。
中に、忍足、跡部、宍戸が出てきます。
女の子の名前変換は、ありません。
『彼女』としか表記しておりませんので、もしお読みになられる際は、脳内変換、もしくはそのまま読み進めてください。
友達に宛てたものを、了承を得て掲載致しました。
全く、右も左も分からずに書いた桜岡のドリー夢SS、よろしければ暫しお付き合い頂ければ幸いです。
「鳳ぃ~お前、チョコレート全部、断ってるんやってぇ?」
「はい、そうですけど……」
「こいつ、黙って机ん中とかに入れてあるのも、返して回ってるんだぜ」
「……なんちゅー勿体ないことすんねん」
後輩の鳳は、バレンタインデーに贈られてきたチョコレートを一切合切、贈り主へと返して回っていた。
先輩の忍足にしてみれば、女の子がせっかく贈ってくれたものを無下にするとは、男の風上にも置けないと文句を放つ。
同じく先輩の宍戸は、バレンタインデーに興味がない様子で、鳳の思うところならば返すのは有りだろう、と言った。すると忍足は、宍戸に向かって怒り出した。
「あんなぁ、せっかくの気持ちやゆーとるやろう!!女の子の気持ち、考えた事あるんかっ!!」
「っつーか、人の勝手じゃん……なんでお前が、俺に説教すんだよっ!!」
「なんやて?!」
「止めてくださいよ、二人とも。返している理由は、受け止める気持ちが無いのに……そんな事をしたら、女の子に悪いでしょう」
宍戸の言葉に怒り、衿元を掴み上げていた忍足は、二人の間で胸のうちを呟いた鳳を、目を丸くして見詰めた。
――――そう言う訳か。
後輩の行動に、同時に納得した先輩達は、掴み合ったまま顔を見合わせ人の悪い笑みをする。そして、これまた同時に首を動かして後輩を見詰める。
余り気持ちの良い笑い方をしていない先輩に、嫌な気配を感じたか、背筋に冷たいものが伝っていく。
「お、俺、練習に戻り……っ?!」
「あーら逃げるのかなぁ~鳳くん?!」
「ほら、吐け!!長太郎!!」
「や、止めて下さい……よっ、忍足さんっ!!宍戸さんっ!!」
もう気持ち悪さを全面に押し出し、迫って来る忍足と宍戸を、押し返そうとした時。
鳳の視界に、鬼の形相をした跡部が飛び込んで来たのだ。
あ、と思った瞬間には、眼前に迫って来ていた二人が視界から消え、地面へと平伏していた。
「てめぇら!!そこまで踏み込んでどーすんだ、あーん?!」
「せやかて聞きたいやんか~」
「殴られるなんて……激ダサだぜ……」
「喧しいっ!!ごちゃごちゃ言ってねぇで、とっとと走って来やがれ!!」
背後から思い切り殴られた忍足と宍戸は、跡部から厳しい灸を据えられ、罰としてグラウンド及び校内を駆け回る羽目となった。
被害者の鳳はと言うと、跡部からの咎めは無く、共にコートへと戻って行った。
***
――――今日は来てなかったなぁ……
練習も終え、無断で渡されたチョコレートも返し終わった鳳は、淋しさで肩を小さくし、校庭を横切っていた。
何時も、コートに集まって一団となっている人達から離れ、練習している様子を見ている女の子が居た。
鳳と同じクラスに居る、それこそ練習を眺めている時と同じで、余り目立たない存在だった。
だけど鳳は、そんな彼女の事を好きになってしまっていた。
きっと皆は気付いていないだろう小さな仕種や、話す声色の心地良さ。
不意に鳳の琴線に触れたか、次第に彼女を視線で追うようになって行った。
すると、いろいろな側面を発見するに連れ、ますます彼女に心を……鳳は奪われてしまうのだった。
今日は、バレンタインデー。
たくさんの女の子達からチョコレートで攻撃をされたが、先輩達の予想通り鳳は淡い期待を持ち、それらを全て断っていたのだ。
淡い期待。
それは全て、鳳の勝手な想い。
彼女から、もしかしたら贈って貰えるかも知れないと言う、自分本位の願いだった。
彼女との接点は、同じくラスで名前を知るくらい。
時折、用があり声を掛け合う程度。
それだけなのに鳳は、彼女への想いを大切に温めて続けていたのだ。
***
「お……おおとり……くんっ!!」
残念な気持ちで落ちている肩に、担いでいた重いテニスバックは更に負荷を掛けて来る。
しかし微かに、冷たい風に乗り流れてきた声に鳳は、辺りを見渡す。
人影は無いが、自分を呼んでいる声が確かに此処にあった。
背中を振り返って見ると、鳳の影を追い掛けて来る、一つの影が伸びていた。
「……あ」
それを彼女の姿だと認識するや否や鳳は、夕焼け空にも負けない位、頬を真っ赤に染め上げていた。
鳳が足を止めた事で、漸く追い付けたと彼女は、乱していた息を整えるよう深呼吸を一つ、二つと胸に手を当ててする。
「どっ……どうしたの?」
「う……ん。あのね、こうして鳳くんと喋るの、初めてで……いきなりで迷惑だと思うんだけど……」
これ、と彼女は、両手に乗せた袋を差し出し、顔を俯けてしまう。そして、受け取って欲しいとか細い声で、今にも泣き出しそうな声で鳳に伝えたのだ。
彼女にしてみれば、これが精一杯の自己表現だったのだろう。それきり顔を上げること無く、身体を固くしてしまっていた。
鳳が、チョコレートを返して回っているのは勿論、彼女も知っていた。
だけど、今日は特別な日。自分の想いを少しでも伝えたいと彼女は、諦め半分で鳳へと手渡す。
まさか、胸の中だけでずっと想っていた彼女から、チョコレートを手渡される等、微塵も考えていなかった鳳は言葉を失う。しかし、それは一瞬の事で、直ぐさま彼女への感謝と想いを、優しい声色で奏でる。
「ありがとう。君の……君のだけが欲しかったんだ」
だから、他の子達からのチョコレートを返していたのだ、と。
その告白に驚いた彼女の、揺れる指先と持っていたチョコレートの袋を鳳は、大きな手の平で優しく、温かな心を持って包み込んでしまうのだった。
My desire and her desire(僕の想い、彼女の想い) / 20110215
本当に、初めて書いたに等しいドリー夢です。
鳳大好きっ子の友達に宛てて、無い脳みそ捻って書いてみました。
皆さん、性格偽物だと想いますが…許してやってください(涙)
2時間くらいで一発書きしたのを送り付け、せっかくだからサイトに上げても良い?と聞いたら、快く了承してくれたので上げてみました。
最初、題名もなく誤字脱字も大量だったのを、少し加筆修正しての掲載です。
あんまボーイズ書いてるのと変わん無いよ!と思われますでしょうが…まま、初!との事で、ご容赦の程を…
駄文、お付き合いの程、ありがとうございました。
少しでも、ほっこりしたバレンタインデーの雰囲気が出てれば、幸いです。
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