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色々と語っております・・・
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な、訳です。


さっきまで延々〈中断する事、2度3度〉、相方と電話で喋ってました。
とっても久々。
逢って離した方が早いじゃん・・・と言う程に、堪ったネタをはき出しまくり。
ついでに私の愚痴も聞かせた・・・
ゴメン、仕事の事なのに・・・
楽しい話を止めさせてすまなかった。


ほんと漫画から芸能から、ゲーム・・・なんやかんやと話していて、私の「原稿、書けない病」が復調兆しになったと報告。

その復調の切っ掛け・・・書きたいという思いを復活させてくれたのが、三国。

色々、文面とか書き出し、展開とか・・・どうしよう、ドウシヨウって悩んでいる内に、全く手が動かなくなってしまっていたのです。

イベント来週なのに、こんな調子じゃ・・・って嫌で逃げてしまっていた部分もありますが、何とか書ける「きっかけ」が出来て、今、一つ無事に書ききれました。


明日から、また仕事が半端無い・・・って泣き言を聞いて貰って、身が軽くなったのも在るかも知れない。


相方に「今、ジャンルが全然違うけど・・・やっと書き出せた」
って話を振り、無双の小説で孔明が言った台詞に萌えて・・・三国書いてる・・・って呟いた所、

「それ、疲れてるだけやん・・・よかったな、モエが補給できて」

と、相方なりの励ましをしてくれた。



先ず一歩、踏み出せたかな~
後は、己と、時間との戦い。
頭の中のネタ、一つでも昇華してさせたいと思います。
ヒッソリと出る芸能でも、1冊でも新しいの・・・だしたいもん。笑。

せっぱ詰まっている〈毎回!〉ですが、ラストまで走ってみたいと思います・・・仕事、半端無いけど・・・マジで!!!




そんなこんなで、SSでは初めての三国、蜀軍・・・水魚な二人の話です。

魚水と書くべきなのか・・・色々見てみたのですが?だったので、取り敢えず・・・殿は「左」と言っておきます。
ちょっとでも三国、蜀軍お好きな方で、気になったな~と思われましたら、下記よりどうぞ。


時間は、先生が単身で舌戦しに行くその日、明け方の話です・・・



















――――今朝は、やけに騒々しい。

穏やかな目覚めなど、端から期待していなかった。
しかし、本日をもって呉へと出立する軍師は、今日ぐらいは静かな目覚めを迎えられればと、淡く儚い願いを胸に抱き昨夜、床に就いていたのだ。

「……やはり、無理でしたか」

眼前に広がる天井に向けて愚痴を零し、寝所から身体を起こす。
軍師は、鏡の前で手早く夜着の乱れを整え、未だ結われていない黒髪を指で梳く。
取り敢えず、人前に出ても恥ずかしくないように身支度をした。
この城にも秋が訪れ、少しずつ朝晩の寒さが深まりつつある所為か今朝は、一段と冷え込みが強かった。
薄い夜着だけでは物足りないと、昨夜、主君から手渡された着物を肩に羽織る。

「晩秋は、もうすぐそこまで来ているようですね」

雪のように白くある色の着物を掛けた軍師、肌寒さから守るように両手で自身の肩を抱く。
す、と指を滑らせ暖を与えると同時に、主君からの賜り物が、とても上質な生地で織り上げられた着物なのだと、その肌で感じた。
後々、一世とも言われるであろう計を一人、敵陣へ赴き舌戦を繰り広げるであろう軍師への、成就を願うはなむけと用意された物だと分かる。

「我が君は、本当に人の心を掴むのがお上手だ」

あまりにも見事な出来栄えと寸分違わぬ着姿。
鏡へ映り込む、身の姿に感嘆の息を吐き、着物の向こう、夜着の襟元を少し寛げる。
そこには紅く、ぽつりと咲いた疵が一つあった。 
 
「……本当に、お上手だ」

疵に指を触れさせた軍師は、唯、唯、主君の心の有り様に朱色に染める頬と、苦笑いを浮かべてしまうのであった。

 

 

 

「――――諸葛亮殿」

「趙雲ですか」

「はい。ご就寝中だったとは思うのですが……」

「大丈夫です。足音と衣の擦る音が、こちらにも届いていました」

寝所の扉を開けば、そこには若将軍の趙雲が、居たたまれない姿で立ち尽くしている。
夜着のままでいた彼もまた、叩き起こされ捜索に駆り出されたという様子だった。
そして、どうしても見つけられないと……最後の最後、『諸葛亮殿』と呼ばれた軍師の元へとやって来たのだ。

「我が君は、貴方たちだけではなく、出立する私の手までも煩わせる気なのですね」

――――大体の予測は、付いていますよ。

戦場を駆ければ若獅子と呼ばれる趙雲も、主君が消えたとあれば、このように慌て、焦りの表情を現すのも無理はないだろう。
それを宥めるように孔明は、彼の丈夫な肩に手をやり、参りましょうと寝所を後にした。

 

 


*****

 

――――美しい朝を迎えたな。

遥か向こう、山の稜線から昇りくる太陽を眺めながら城の主は、感動の吐息を零していた。
光の筋が、幾重にも織り上げられて行く様は、眩しさを増し、輝きが空一面に迸る。
正視出来ない程に輝く太陽が、稜線から全形を見せた時――――

「何をなさっているのですか、我が君!!皆が大騒ぎしております!!」

美しい太陽の姿に、うっとりと見惚れていた主は突然、大声で怒鳴り付けられててしまうのだっだ。
本当に一城を担う方なのだろうか、と疑問符を浮かべたくなるような緩んだ顔をしていた主は、怒鳴り声の持ち主へ顔を向け微笑む。

「おはよう、孔明。出立の日には絶好、と言う太陽が昇って来たぞ」

「おはようございます……」

思わず主の笑顔に釣られた孔明も、一呼吸ずれた挨拶を返し、そして笑んでしまう。
だがしかし、下での騒動を直ぐ様、思い出し目くじらを立てる。

「そう、怒るな。悪かったと思うよ……この太陽の輝きに免じて許してくれ」

騒ぎの大元は、己の臣下である孔明に謝罪し、素直に頭を下げた。
そんな主の姿に軍師も、仕方ないと許してしまう甘さを見せる。
ゆったりとした動きで彼の傍へ寄り、膝を折ると足元へ伏し一礼する。
そして、面を上げた孔明は、城壁へ腰掛け、生まれ落ちた日輪の輝きを全身で浴びている主に、『この乱世を纏めあげるのは、我が君のみ』と感慨無量で見上げ、見つめていた。

「どうした?黙り込んで……先程の勢いとは、まるで違うな」

その姿に魅了されていた事を知られてはいけないと、誤魔化す様に盛大な咳払いをする孔明は、

「さ、我が君、戻りましょう。趙雲が、とても心配して泣きそうになっていましたよ。早く安心させてやって下さいませ」

立ち上がり、城内へ戻るように促した。
刹那。
腕を取った主は、自身の隣に孔明の身を据える。
身体の安定を欠き、よろけながら同じ様に城壁へ腰掛ける形を取らされた軍師は、苦言を呈しようと口を開こうとしたが、彼の行動で遮られてしまう。
腕を引かれた時、主から賜った着物を孔明は、身体から滑り落としてしまっていたのだ。
それを拾い上げ、傍にある肩へ掛け直すと共に、柔らかく身体を抱き腕の中に収めた。

「────!!」

「此度の大役、孔明でなければ出来ぬもの……将も付けず一人、敵陣へと送り出す酷い私を許してくれ」

呆れてしまう程の突飛無い行動と、主が吐露する胸中に孔明は、言葉を無くしてしまう。
これから出立する軍師に送る言葉でない事など、判っている。
しかし主は、今、伝えておかなければ……もしも、と言う事を慮り、更に吐露する。

「すまない。此処で言うべき言葉ではないのを承知で申した。そなたの身が……私の傍から永劫に消えてしまう事はないと、この陽に、孔明が無事に戻ってくるまで祈り続けている」

『許してくれ』ともう一度告げ、静かに抱いていた身体を解放した。
すると軍師は、徐々に離れて行く身体とその熱を追い掛け、主を捕まえてしまう。

────未だ少し、このままで居て下さい……我が君。

言葉に出さずとも孔明もまた、主と同じ胸中で在るのだと自分自身を最大限に使い、想いを伝える。

 

 

 

呉へ赴く孔明との、暫しの別れ……
ではあったが、それをも惜しむかの如く寄り添う二つの姿は、まばゆい光の天蓋に包み込まれていた。
この抱擁を『永劫』にしてしまわぬ様、孔明と主君・劉備は、互いの腕と腕を絡ませ、目を合わせる。

「我が君の為、この孔明……呉へと参ります」

「しかと頼むぞ。ああ、そうだ……」

────昨夜、着物と一緒に渡そうとしていたが、間に合わなくてな。

劉備が座っていた城壁の傍、美しく彩られた箱が置かれていた。それを孔明へ手渡し、開けてみる様に勧める。
そっ、と蓋を取ってみれば中より、着物と同じ様に雪の色した羽扇が姿を現した。
手にした孔明は、羽扇を太陽の光へ翳し、目を細め嬉しそうに見つめていた。

「それで、意のままに配を振るって参れ」

「仰せのままに」

孔明は、既に昇りきっている太陽を背に立つ劉備へと不敵な笑みを浮かべ、意を決するのであった。

 

 

 

 

*****

 


その後。
もう少しだけと別れを惜しみながら、城壁に仲良く腰掛けて他愛ない話をしている時だった。
不意に劉備は、孔明の夜着の袷辺りに指を、緩慢で焦らす様に滑らせたのだ。
咄嗟の事で抵抗や、身を翻すと言った芸当が出来ずにいた孔明は、唯、固まっていた。

────この疵が消える前に、戻って来てくれ。

その言葉に心の臓を射抜かれてしまった孔明の頬は、色鮮やかに染まり行く。
劉備は、真摯の眼差しで彼の目を見、『必ずだ』と強く念を押すのだった。

 

 

夜明け / 20091018

 

 

 

 


過去に漫画として三国は書いた事、一度だけございますが・・・SSとしては初。
水魚の交わり、大好きです。

 

無双の資料を基に独自路線。
三国の知識は、横光先生の漫画のみ。
これで好きだって笑われるかも知れないですが・・・本当に昔、読んだ時にこの主従にときめきました。
今でも・・・同じ思いです。

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