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輝望祭で、何かが起こる。
それは夜の事であり、昼間の動きの無い異能者達は、脈々と受け継がれる格好に身を包み、半分は会長の欲望込みで始まったカフェで働くのであった。


「桜小路さん、こちらへ来て頂けませんか?」

オーソドックスな柄の着物の袖を襷掛けし、気合い十分で接客していた袴姿の桜小路桜を、着慣れた軍服姿の齢・百歳越えのティーンエイジャー平家将臣は、少し離れた場所から手招きして呼んでいた。

「どうかしたのですか、先輩殿?」

「この方達がね、私と貴女の並んだ写真を撮らせて欲しいと言うのですよ……如何でしょうか?」

「……私なんかと一緒で良いのか?王子殿と一緒の方が、写真映えするのでは?」

桜は、余り自分の可憐な姿には頓着無く、突然そのような申し出に戸惑い、鹿鳴館調のドレスを身に着けた八王子泪の名を出した。
しかし客の目的は、軍服姿の平家と袴姿の桜が並んでいるのを所望している。
昔々にあった漫画の主人公が袴姿であった事と、最初は嫌いでいた軍服姿の男を、時代に翻弄され心の移り変わりと共に好きになり、一生を捧げる内容に涙したと熱弁を奮っていた。
そのキャラクターにどうも平家と桜が重なり、是非に、との申し出だった。
凛々とひた顔立ちの中にも清楚で力強い乙女心が見える桜に、眉毛が無いことに目を伏せれば長身で美丈夫でいる平家と並んで見れば、本当に絵になる二人でいた。

「……よ、良いのか、私で?!」

「貴女にしか出来ない事ですよ。さぁ、自信を持って下さい。ほら、我々の並ぶ姿は、エクセレント☆カップルです!!」

平家は、強引な言葉ではではあるが、自信を持ちなさいと励まし渋る桜の肩を引き寄せた。
見知った人間だが男に抱き寄せられて驚き、顔を朱に染めて恥じらう彼女の頬に、腰を屈めた彼はそっ、と頬を寄せて瞳を閉じた。
その二人の対照的な、余裕と初心に周りから喝采が贈られ、フラッシュの嵐が巻き起こっていた。



何も知らない客達は、その光景に感嘆の息を零していたが、二名の異能者は、拳を握り身体を震わせていた。



***



輝望祭も一段落し、後は夜への道を待つばかりとなった。
昼間の一件以来、一人の異能者・文明開花の学生服姿をした大神零は、黙ったまま桜の近くから離れようとしなかった。
当の桜は不思議そうな顔をして、大神の態度を眺めていた。
もう一人の異能者・洒落た貴族洋装姿の藤原刻は、平家の軍服の胸倉を掴み、緩みきった顔を睨み付けていた。

「何を怒っているのですか?」

「桜チャンに手、出してんじゃねぇヨ!!」

「桜小路さんの肌に密着している姿が、気に入らなかったのですか?もしかして……あなたは、彼女に嫉妬をしているのですか?」

掴んでいた服から手を離すと同時に、身体を突き飛ばした刻は、意味の判らないことを言うなと怒鳴り付ける。
揶揄る様な平家の態度と口調が腹立たしく、少し短気な刻は顔を真っ赤にして怒り心頭だと体で示す。

「本当の事を言われて、怒ることは無いでしょう?桜小路さんと同じ格好を強要する訳には行かないので……」

――――そのクールビューティーな姿で、我慢して差し上げますよ。
刻が異能を発動させるよりも早く、閃光の鞭を振るった平家は、華奢な彼の身体をがんじがらめにしてしまう。
そして、部屋に置かれてあった大きな姿見の前に、二人は並んで立つ。

「へい……っ?!」

「ほうら、桜小路さんと私が並ぶよりも……あなたと並んで立つ方が、ミラクルスペシャルに似合っていますよ」

見えない鞭に縛られている刻の腰を片手で引き寄せ、もう片手で逃げ出そうともがいている頬を掴み、鏡の中の姿を見せ付ける。
桜と同じ様に扱われている己の姿を目にし、怒りの中に恥じらいを生んだ刻は、共に映り込んでいる平家の一挙手一投足に目が離せなくなった。
刻の掴んだ顔を自分の方へと向けさせた平家は、視線で鏡の中の刻を捕らえたまま、彼の戦慄く唇をも捕らえてしまうのだった。







Mirror
20110828



あら~
最初に考えていた展開からズレにズレまくった。
変態先輩、大暴走~
鏡を使った羞恥プレイですか?!

今週のコードブレイカーより!
大好きな大正ロマンコスプレな異能者集団にドキドキ☆
先輩の軍服姿にしてやられていたのは、百歳オーバーのティーンエイジャー初登場の時より(笑)
で、桜ちゃんの袴姿に…ハイカラサンが通るだろぅ!!と燃え散らかした訳っす。はい。

いやぁ、好きな漫画ではありますが…読んだの(見たの)はかなり前で、イマイチ覚えが…
テレビアニメの歌は、バッチリ歌えるんですがね。えへ☆←殴!


スミマセン、未熟者なコードブレイカーで、しかも尻切れ的(どう持って行っていいか難しくて…)ですが、こんなんもあるんだ~と見て頂ければ幸です♪


お付き合いの程、ありがとうございました☆




つい熱中しすぎて…携帯持ったまま移動していたら、階段から落ちて両足傷だらけになっちゃった…苦笑

やっちゃダメですよ~携帯打ちながらの移動!!←お前ぐらいだよ(斬!!)
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