色々と語っております・・・
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――――ツイてねぇ。
しとしとと降り続けている雨空を見上げた紅丸は、胸の内だけでぼやいた。
久し振りに日本へと降り立ったと言うのに、出迎えてくれたのは京が背負う日輪ではなく、湿気と憂鬱を運ぶ雨だとは。
空港の到着ロビーを苛々と、早足で闊歩して行く紅丸だった。
――――今年もまた、始まる。
握り締めた白い封筒を、更に強く握り皺だらけすると、乱雑にポケットの中へ突っ込む。
そう、それは……招待状。紅丸も、招かれた武人の一人として、何年と連れ合って来た仲間達と合流する為に、この地に戻って来たのだ。
サングラスで目元を隠していたが、彼の存在感は素晴らしく、長身で均整の取れた身体付きで、麗しい金色の髪をなびかせて歩く姿を誰もが感嘆と見つめる。
目指す場所は唯一つと、大勢の視線を集めているのに我関せずでいる紅丸は、前だけを見据え無言で歩いて行った。
**
混雑するロビーを抜け、駐車場まで続く連絡橋までやって来た紅丸は、まだ降り止まぬ雨を見て覚悟を決める。
せっかく……これから逢うと言うのに、濡れて酷い姿なのは如何かと考えるも、そこはポジティブな紅丸。水に滴る何とやら、であった。
先ほどまで苛々としていたが、覚悟を決めてしまえば強いもので、この雨の降りしきる中、一歩を踏み出す。
と、同時に――――声が掛けられた。
「待てよ、そこのお兄さん……困ってるなら傘、入れてやるぜ?」
傲慢な台詞ではあったが、密やかに待っていたのだと声色で語られる。
紅丸は、声のする方へ髪を引かれ、心も惹かれて緩やかな動きを持って振り返る。
そこには、逢いたくて逢いたくて……心配で心配で仕方なかった人の姿が在った。
その人は、色気の無いビニール傘を手に携えて、紅丸が心配していたのを知っている癖に、マイペースに悠然とした表情をして見せていた。
「よぉ。お前があんまりにも心配するからよ、迎えに来てやったぜ」
――――有り難いと思え。
その人の……草薙京の、相変わらずの傍若無人振りに紅丸は、目尻を下げて泣いてしまいそうだったのを忘れそうになる。
いや、何時もの京で居てくれたのが嬉しいと、今まで抱えていた不安を消し飛ばした。
傘の花を開いて京は、紅丸をその中へと招き入れる。そして彼の腕を取り、自信の腕をゆったりとした動きで絡めた。
「……おっ、おい?!」
「誰が居てもいいさ、今は……心配させて悪かった」
余り自分からは触れたがらない京なのに、今は自ずと進んで紅丸の腕に触れ、身体を添わせていた。
それは、遠くにいた紅丸を心配させた事の恩と、彼の気持ちに対する恩の現れだった。
口伝えの下手な京の精一杯を汲み取った紅丸は、自由のある腕を上げ、目の前で揺れる黒髪をひと撫でして答えを返す。
――――お帰り、紅丸。
思いが伝わり嬉しいと、身体の温度を少し上げた京は、紅丸へ感謝を込めてこう囁くのだった。
雨の花
20100605
フライングっすが、紅丸、誕生日おめでとう!!
6月ってめちゃくちゃ誕生日多くて……原稿しなきゃ、と思いつつ小話(笑)
ちょっと今日は、仕事が早く終わったので何時もの如く、大好きスタバに引きこもりガリガリ。
慌ただしい小話ですが……お祝いに置かせて頂きました!!
13のストーリー、まだきちんと読んでないのですが、アッシュのストーリーをザッと読んでの話。(手元には拾って来たので、時間が出来たらユックリ読みます)
いろいろ気を回してる紅丸を意識しました。
次は京の番だし……ね。狙われるの。
あのゲーム、ほんとどうなるのか心配なんですけど……(汗)
やっぱり京上位の紅京になるんですが、これがきっと彼らのスタンスなんかなぁ~と何年も好きでいるCPです。
いろんな物が好きなんで途中フラフラしてる桜岡ですが、こうしてカンフル剤の様にネタが舞い込むと、そのCPに盛り上がる体質です(笑)
そんなこんなで久々の紅京でした……少しでも楽しんで頂ければ幸いです。
改めて紅さん、誕生日おめでとう!!
さあ、明日は……祝いに行くぜ、京都へ!!
携帯も変えるぜ(笑)
ほんっとアホでスミマセン(爆)
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