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ひさびさに書きました、コバサワ。
今更感な話ですが、こんな事がない限り契約しないと思うんだ……ハイテク機器苦手やろうし(笑)



『でんわ、つながる』


インターハイで北海道遠征の時、まさか自分を捨てたと思っていた親父と再会した。
事情を知った成瀬や浩介達は、俺達の仲を必死で取り持とうとしてくれた。
暑苦しい奴等だ、迷惑だと思っていたが、上南の面子まで巻き込み大騒ぎした挙げ句、ぎこちなくはあるが一応和解は出来た。
わだかまりを吹っ切り、突然出来た小さな弟分の為にと戦っていたが、腕を怪我して試合をしている姿を見た親父は、直ぐに状況を判ってくれた。
澤村様らしくないと言われるだろうが、離れていても気にかけてくれていたのだと感じ、心の底から嬉しいと、いかれた腕と共にコートから離脱する俺は思った。



それから。
北海道に残る親父は、居場所と連絡だけは付けられるようにと、別れ際に携帯電話を渡してくれた。
これがあれば困ったときは連絡出来る、すっかり懐いている弟分とも話せると。
こんな事しか出来ないがと、共に住む道を断った俺に少しばかりの援助をさせて欲しいと言い、押し付けられてしまった。
新しい物好きの成瀬は、見せろ見せろと纏わりついて来るものだから、鬱陶しいから押さえとけと桜井に言う。
桜井はどさくさ紛れに触れると成瀬を捕獲し、抱き付いて、抱き締めていた。
良くやるよと呆れた顔して二人の様子を見ていると、仏頂面した男がさっさと搭乗しろと注意し、通り過ぎていった。

「俺の所為になってるだろうが、このバカップルが!!」

彼奴にボソボソ嫌味言われんのが一番嫌なんだ!と、バカップルを足蹴にして俺は、その仏頂面の背中を追う形で親父達、北海道の地を後に東京へ、自分の居場所へと帰った。





「あーあ、今日で夏休みも終わりだぁ……」

「俺は、お前の世話をしなくて済むようになるから、有り難いぜ」

「でも俺のお世話でお金巻き上げたんだから、懐は潤ったでしょ?」

「だからこうしてアイス奢って、還元してやってるだろう?」

元は俺の財布の中身じゃん!と成瀬は、丸く形成されたアイスを齧りながら文句を言っている。
自分が出来てない宿題を手伝ってやってるんだからギブアンドテークだろうと俺は、机の下で成瀬の脛を蹴り、痛みで黙らせた。
涼しい店内で男ふたりでアイスを食っているとか、面白くも何ともないと思っていると、成瀬の携帯電話が震えだした。
ディスプレイを見、誰だろうと非通知の文字に小首を傾げた鳴瀬は、ごめんねと謝りながら通話を始めた。
迷惑だから店から出て話をしろと出入り口を指差した時、通話口を手で押さえて携帯電話を俺の目前に突き付けた。
俺に?と無言で自分の鼻先を指させば、そうだと目を白黒差せて成瀬も無言で頷く。
親父の好意で携帯電話を持たせて貰っている所為で、あまり番号を外には教えてなく、成瀬を捕まえれば俺が付いてくる図式で皆、連絡の取次に使っていた。
成瀬の驚いたような慌てふためくような雰囲気に、年上の人間だろうと言う事だけは判った。
電話を怖いもののように扱い、早く出ろと突き出してくるものを取った俺は──向こう側から聞こえてきた声に納得し、そのまま店を出る。
室内のクーラーで冷えた身体は、外気に曝されすぐに汗が浮き始めてくる。
それでなくとも向こう側から聞こえてくる声と会話すれば、身体が熱くなるのに一体何なんだ?と突っ慳貪に要件を聞く。

「──わ、判った。じゃ、此処にあるこの店まで来てくれ。あと契約に必要な証明とか同意書、忘れんなよ。じゃ三十分後に」

借りた携帯電話で話終えた俺は、成瀬に礼を言って返す。
誰と話してたか判っているから何も聞かないで居てくれる成瀬に心中だけで感謝し、行くわと手を振り店を出る。




『あ、あの……迷惑かも知れんが、お前と同じ携帯電話を契約したい。どうすれば良いのだ?』



同機種にしておくと困ったときは俺に聞いて教わることが出来る、そして俺の誕生日に絶対契約したいのだと力強く言ってのけた。
仏頂面の男が百面相しながら話している姿を思い浮かべ、外の熱さにも負けないくらい俺の顔も熱を持つ。
ポーカーフェイスを売りにしている俺は、深呼吸をひとつして一応心を落ち着けると、約束した場所へ足取り軽やかに向かうのだった。




でんわがあれば、どこでもつながる、こえがきける、すきなひととはなしができる、しあわせになる。




20180831   

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西山センセの連載が始まった!
Webってのが少し引っかかってるんだけど(Webで読み慣れてないから、苦手)、ともあれ縁だよな、と思いました。

配信日見たとき、あ!って思ったぐらい、嬉しかった……


西山センセ、気付いてらっしゃるかな……


成瀬、誕生日おめでとう!!
今年は嬉しいね♪
──普通の日常なんて過ごした事ねぇし、だいたい普通の概念がわかんねぇよな。
そう二階堂紅丸は、呟く。

「普通? 普通ってこんな事ちゃうん? 俺と紅丸はんが喋ってる事とか、こうやって一緒に飯、食っとる事とか」

「お前に聞いた俺様が、馬鹿でした」

「っつか誘う相手、まちごーてないか?」

「草薙京様は、お宅の旦那と一緒なの」

「庵はんと……祓いか?」

「そう……紅蓮と蒼紫の焔背負う宿命」

──それ考えたらあの二人が、普通から外れとんねん。
目の前で食事を貪っている拳崇の言葉に、彼等と共に生きる覚悟したならば普通などありはしない、と改めて感じた。

「あ、俺も一応超能力者やから、紅丸はんが一番普通や」

「一応俺も雷使いなんだけど……」

からからと笑う拳崇に、青い目を丸くして呆気にとられた紅丸は、なるほどとその目を細くして笑い、金の髪を靡かせ、晴天を見上げる。

「ほんとお前や彼奴等と一緒だと、周りと違う『普通』が味わえて飽きねぇな」

「どないしたん、なんで普通に拘るん? あんまそんなん考えへん癖に、珍しいなぁ……何かあったんか?」

「何もねぇよ」

あ、そ──と。
紅丸の性格からこれ以上は話さないと察した拳崇は、次々と運ばれてくる食事を片っ端から片付けて行き、腹が膨れたと満悦だった。
紅丸も少しずつではあるが食事に手を付け、食後の珈琲へ口を付けていると、バイクのエンジン音が徐々に近付いて来た。

「あ、庵はんっ!!」

「何で俺が、お前を乗せねばならん!」

「うっせぇ!! 好きで乗ってるんじゃねぇ!! 紅丸、帰るぞ!!」

「お疲れさん、飯は?」

「こんな煩いのと一緒に食えるか! 俺は疲れてんの……察しろ」

はいはい──と。
紅丸は、バイクに跨がりヘルメットを被ったままの庵にお疲れさんと声を掛け、礼も言わずさっさと降りてきた京からヘルメットを取ると拳崇へ渡す。
またな、とヘルメットを被りバイクに跨がった拳崇は、庵の背中にしがみついて手を振っていた。  
紅丸も振り返したのを合図に庵はエンジンをかけ、そのまま走り去った。

「さて、車を回してくるよ。何か飲むか?」

「いらねぇ……」

「そう? じゃ少し待っててくれ……って疲れてんだろ?」

「だから察しろ、って」

庵と拳崇の姿を見送りながら紅丸は、祓いでかなり体力を消耗しているだろうと京に気を使うも、ことごとく打ち砕かれてしまう。
あんな話を拳崇にしてしまい情緒が不安定だなと心の隅で紅丸は思っていたが、この京の状態と自身を照らし合わせ、知らぬ内に気持ちが繋がっていたのかと感じて嬉しくなる。

「疲れてるのに、駐車場まで付き合わせて悪いな」

「悪いって思うなら、俺が満足するまで接待しろよ」

こう口悪くしているものの本当は、優しい手と温もりを欲しているのだと知ってしまった紅丸は、自身も京に触れて『彼が生きている』事に安堵しようと横へ並び立つ。
今はこれだけでと、紅蓮の焔を纏う手の甲へ、雷纏う手の甲を触れさせた紅丸は、気持ちが洗われると心中だけで呟き、目の前で顔を赤らめ口を尖らせている京に微笑みかけた。



20180606






澤村、はっぴばーすでー!

わが部屋の一角(苦笑)
ずっと飾ってます……♪


8/20 インテックス大阪 
6号館D り54a「LOVE FLIES」
にて参加いたします。

相変わらずナマモナってますが、すみません……


もしご興味ありましたら、pixivにサンプルなどあげてますので、目を通して頂ければ……幸いです。
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