色々と語っております・・・
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少し離れた所から、おいでおいでと手招きされた。
穏やかな笑顔の下、何か隠れているのではないかと、彼の人を見る目を細くした。
私の考えている事がお見通しなのだろう。手招きした手を今度は左右に振り、何もないよと言う合図が送られる。
「何ですか?」
「そんな冷たい目で見なくても、良いんじゃないかなぁ……」
「冷たくないです。何かを、企んでそうな素振りに見えたからですよ」
彼の人は笑みを浮かべたまま、酷い、酷いと言葉を吐く。当然だと上目遣いで言い放ち、私は少しだけ頬を膨らませてみる。
「拗ねない、拗ねない。そう言えば、少し背が伸びたか?」
「身長、伸びました! でも、もっと伸びて欲しい……牛乳も、ご飯もしっかり食べているのに……」
成長期なのだからぐん、と伸びても良いものを、身体は何を遠慮しているのか、微々たる伸び具合だった。
相変わらず笑ったままの彼の人は、唇尖らせて吐いた私の子供じみた言葉に、頬に浮いた笑い皺を更に深くした。
見上げていたその顔が幸せそうで、膨らませていた頬が緩んでしまう。
見下ろしている彼の人の手が伸びてきて、私の頬に浮いた皺を指先が辿る。そして、大きな両の掌で頬を包み込んだ。
慌てて手から逃げようとしたが間に合わず、離さない、と触れた所から想いが、その熱が肌を伝って流れ込む。
「俺は、このままで居て欲しい……こうしていたいから」
――――嫌、だよな?
身長のある方が有利なのは判るが、身長が無くとも動きとテクニックでカバー出来るのだから、私に成長しないで欲しいと我が儘を言う。
頬を包まれ、眼鏡を隔てて見詰めてくる瞳が優しい彼人の、その我が儘な願いに力強く頷いた。
「見下ろされて、威圧感は無いのか?」
「たまに怖い時もありますけど……俺も、この方が良いです」
その大きな身体にすっぽりと包まれ、『私だけの貴方』と感じられるのが幸せだと私は伝えた。
隙を突かれたのか彼の人は動揺し、目を見開く。
私は、頬を包んでいた大きな両手を軽く払い、前に広がる胸元に額を押し当てた。
すり、と甘えれば、力強く両腕で抱き締めた彼の人は、私の髪に顔を埋め『このままで、このままで』と囁き続けてくれた。
このまま。
2015011
すみません、桜井さんの誕生日用に書いていた小咄、今更ですがアップします。
成瀬の身長は、桜井さんと約20センチ……
澤村のとなりに並んだとき、ほぼ変わりが無くなっていて、ショック受けた桜岡です(笑)
この子は成長するタイプだと分かってるんですが、願わくば身長差はこのままで、このままで、居てください……
見下ろされて見上げて、全身で包み隠して隠されて、な感じが良いです!!
暫く書いてなかったので、よれよれ過ぎてすみません…少しでも楽しんで頂ければ幸いです!!
お年賀にならない、お年賀でした(凹み)
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