色々と語っております・・・
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僕たちを乗せた自転車は、何処までも何処までも走り続ける。
このまま、地平の彼方へ。
このまま、星の彼方へ。
僕たちの思いも乗せて、走り続けて行く。
真夜中。
深い藍色した舞台の中に在る街を、一台の自転車が走っていた。
眼鏡を掛けた先輩が、くせっ毛の可愛い後輩を後ろに乗せ、野っ原を目指して漕ぎ続ける。
凛とした冷たい夜風は、二人に纏わり付き体温を奪って行く。
自転車を必死で漕いでいる先輩へ、後輩は『代わります』と背後から声を掛けるも、一蹴されてしまう。
辺りが静か過ぎるものだから、余り声を立てて話すのも憚られ『すみません』と謝るたげに後輩は留めた。そして、役に立てない自分へのもどかしさから、目の前にある広くて頼もしい背中にしがみ付いた。ジャケットに顔を埋めてもう一度、謝罪する後輩だった。
人一倍、そういう所を気にする後輩へ、先輩は腰の辺りにしっかりと絡み付いた彼の手を軽く叩き、『せっかく真夜中に、誰にも邪魔されないでデートしてるんだから、気にしないで欲しいな』と言う。
そんな言葉を聞かされて……
恥ずかしさで悪態を付きつつも反面、嬉しさで腰に回した手に力を込める後輩だった。
***
「ほら、あそこに出ている」
「す……凄いっ!!」
夜と朝の狭間。
ゆっくりと深い藍色をした舞台を隠してしまう様に、光りの幕が東の空から引かれて行く。
白む幕間に、大きな輝く星が一つ、一際白い光彩を放っていた。
「あれが、明けの明星ですか!!」
初めて見たかも知れないと後輩の成瀬は、それこそ空に輝く明星にも負けない位、瞳を輝かせていた。
夜空に数多在る星よりも、唯一の存在である月よりも、何にも負けない程に放つその輝きは、まるで誰かを思い起こさせるものだった。
「凄く綺麗です……あの光りは、桜井さんに似ています」
「何?」
「何物にも負けない、力強く輝く星。あれは、桜井さんそのものだな……って思ったんです」
広がる野原で唯、二人。
成瀬と、先輩である桜井は佇む。
空の白む様を、夜に別れを告げる光りを浴びながら、明けの明星を見上げる。
その星を桜井に例えた成瀬は、隣に居る先輩の上着の袖を引く。
ずっと空を見つめていた桜井は、呼ばれた方へと顔を、目線を落として見る。すると成瀬の、一点の曇りも無い瞳と出逢った刹那、互いの視線は紐の様に絡み結わえられた。
「じゃ……成瀬は、太陽だな」
「どうして……ですか?」
「だって、あの星の傍でずっと……輝いていてるだろう」
視線は結ばれたままにして桜井は、こう成瀬の耳に届くように言葉を放った。
受け止めた成瀬は、太陽の灼熱にも負けない位に顔を紅くしてしまう。
「だからさ――――俺達は、離れる事が出来ないんだよ」
恥ずかしがる後輩を引き寄せた先輩は、しっかりと両手で抱き締めるのだった。
二人の背中には、七色の光りで織り成された翼が、浮かび上がっていた。
Shine of shine and the sun in star(星の輝きと太陽の輝き)
20101120
携帯翻訳を使って題名を付けました…ので正しいと勝手に信用してます。
改めて…桜井さん、お誕生日おめでとうございます☆
明けの明星が、とても綺麗に見えた…とラジオから聞こえてきた話が元手。
太陽の次は、ほんとは水星なんすけど(確か?!)、輝いていたのは金星なんで…水星スルーですみません。汗。
星をネタにしてる事が多々とございますが、書いてる本人、あんまり詳しくないです…これもすみません(T_T)
『あなたは、私だけの為に輝いていて』
なんて我が儘な想いですが、この我が儘が『好き』に繋がるのかなぁ~なんて思って書きました。
ほんとは、もう少し続いていたんですが…収まりが良かったので、ここで収めました。
久々に書いたサクナルですが…少しでも楽しんで頂けましたら幸です☆
こんな小話ではございますが…誕生日のお祝いに!!
桜井さん、成瀬の道標であってください…今までも、これからも!!
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